新時代到来。AIデバイス新製品が続々発表。スマホとの違いも解説

AIサポートデバイスが続々と発表されています。昨年11月にはHumane社がバッジのように身につけられるAIデバイスAI Pinを発表。デジタル見本市CES2024では、同様に音声入力のみでAIがアプリ操作を行ってくれるデバイス「rabbit r1が発表されました!これらがスマートフォン登場以来の革命的デバイスになると予想する声も多く、注目が高まっています。2つのデバイスの特徴を簡単にまとめてみました。

目次

AIデバイスとは?スマホとの違いも解説

AIデバイスとは、その名の通りAIを搭載し、ユーザーのから与えられた指示を実行する機器のことです。既存のスマートフォンやそれらに搭載されているアシスタントAIとの最大の違いは、“ユーザーがアプリケーションという概念を知っておく必要がない”という点にあります。つまり自然言語による「〇〇したい」「××がしたい」という抽象的な指示でも、AIがその意図を理解しタスクを実行してくれるのです。”より直感的”かつ”より簡単な”デジタルライフを実現してくれるのがAIデバイスの革新的な点と言えます。

現在発表されているAIデバイスで注目を集めているのが、Humane社のAI Pinrabbit社のrabbit r1の2種。両者の特徴を調べましたのでご覧ください。

プロジェクター搭載、Apple風デザインのAI Pin

AI Pinは、身につけて使用するタイプのウェアラブルAIデバイス。米国のスタートアップ企業Humane社が2023年11月に発表し、話題になりました。Appleエッセンスの入ったシンプルなデザインが、AI新時代を感じさせます。搭載されたQualcomm製専用プロセッサが、AIによる高度なタスクの実行を可能にしています。

AI Pinの主な機能は以下の通りです。

  • Ai Mic:複雑な指示でも性格に理解できるよう設計されたAI Micは、検索を強化しユーザーの要求に素早く応えます。またユーザーの声のトーンを分析し適切なテキストメッセージを作成します。
  • 超広角カメラ:超広角カメラでユーザーと同じ視界を共有します。カメラには深度センサー、モーションセンサーといった高度な機能が搭載されていおり、AIによる高度な分析(例えば食品を分析し栄養目標をサポート)を可能にします。
  • レーザーインクディスプレイ搭載:AI Pinにはディスプレイを搭載していません。その代わりにレーザーインクディスプレイと呼ばれるプロジェクタを搭載しています。手のひらに情報を投影し、音声やジェスチャーを介して操作するインターフェース方式は、後述の競合製品rabbit r1との最大の違いでもあります。

以上判明しているAI Pinの特徴でした。上記に加え、Humane社とAI Pinはプライバシーの保護にも注力しています。AI Pinはユーザーの関与時のみ起動し、いわゆる「ウェイクワード(OK Googlerのような特定のフレーズ)」を使用しません。外部からのインタラクトを検出するランプも搭載され、侵害が検出されると強制シャットダウンとなります。全く新しいデバイスだからこそ、こういった機能はユーザーからも重要視されているようです。AI Pinは現在699ドル(約10万2000円)で予約注文中です。

次にAI Pinより後に発表された、rabbit r1を見ていきましょう。

タッチ画面搭載、rabbit r1はレトロ感漂うデザイン

rabbit r1は、同じく米国のスタートアップ企業、rabbitのモバイルAI端末です。Rabbit社は”よりシンプルなコンピューター”をテーマに、CES2024でrabbit r1を発表しました。このデバイスはユーザーが音声で指示を出すだけで、様々なタスクを実行する能力を持っています。199ドル(約2万9000円)の価格で始まった予約申し込みは、既に1万台が売れて初回ロットが完売したとのことです。

rabbit r1の特徴的な機能は以下の通りです

  • 音声操作:rabbit r1は音声の命令だけで、ユーザーに代わってスマートフォン上アプリのほとんどのタスクを実行してくれます。商品の購入や旅行の予約といった、複雑な指示にも対応します。これは独自に開発された大規模言語モデル(LLM)と大規模アクションモデル(LAM)によって可能となったものです。
  • 360度回転カメラ:360度回転するカメラは写真撮影やビデオ通話にも対応しています。音声入力に加えて視覚情報を得るため搭載されています。例えば冷蔵庫の中を写して、調理可能なレシピを検索する、といったことも可能です。
  • 学習機能:「teachモード」は、デバイスが新しいタスクを学習し、将来同じタスクを実行できるようになる機能です。

期待大!けど本当に有用?疑問や懸念点も

以上現在注目を集めているAIデバイス2機種の概要でした。手のひらサイズの機械が人間の生活をより豊かにしてくれるとなれば期待大です。しかしAIデバイスには疑問や懸念点もあります。

AIデバイスは本当に信頼できる?

まずこれらのAIが本当に信頼のおけるものなのかという点です。紹介した2機種はどちらもスタートアップ企業が独自に開発したもの。そういったAIに生活上の様々な作業、例えば商品の購入や予定の管理などを、これまで以上に丸投げしまうことを不安に感じる人もいるでしょう(※rabbit r1発表のプレゼンでは、商品購入の最後にユーザーが承認をする様子がありました。)。かといってAIの判断にその都度ユーザーが判断を下していては、スマホのような広範な普及は難しいでしょう。

肝心のスマホとの差別化は?

次にスマホとの差別化です。開発者達は、AIデバイスをあくまでユーザーの行動を補助する存在として位置付けているようです。身につけたりポケットに入れて持ち運べるAIデバイスですが、ユーザーがより能動的に調べ物をしたり生活上の作業を行う際には、これまで通りスマートフォンが主として活躍するでしょう。そうした中、スマホのAIアシスタントを強化する動きも見られます。2023年10月に発売されたGoogle Pixel 8 Proは、「Google Assistant with Bird」を搭載し、ユーザーの画像、文章、音声を学習。そこからユーザーの次の操作を予測したり、問いかけに対し最適な答えを導き出します。こうした高性能AIがスマホに標準装備されるようになれば、AIデバイスの差別化は難しくなってきます。個人的には製品の小型化に差別化のポイントがあるのではないかと考えています。選ぶならAI Pinがいいんじゃないかなあ。

まとめ

以上注目が高まるAIデバイスの紹介でした。今後おそらくスマホとAIデバイス2台持ちの時代がやってくるのではないか?と筆者は予測しています。スマートフォンの登場は生活に革命をもたらしましたが、現在その性能は高止まりです。AIデバイスはそれ自体が革新的というよりかは、スマホとの組み合わせによって利便性にブーストを掛けてくれる、そんなガジェットになるのではないかと思ってます。今はとにかく、AIデバイスの流通が増えることを待つばかりです!

【追記】

上記で紹介したAIデバイスが日本語に対応しているかどうかですが、公式サイトを含め現時点で明確な情報はありませんでした。しかしAIによるユーザーの補助を目的としたこれらのデバイスは多言語間の翻訳に対応しているということもあり、日本語のみ非対応とは考えづらいです。近い将来の国内流通にも期待して良いでしょう。

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ブログ初心者。ノリで記事書きがち。バイク乗り。

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